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    おすすめDVD映画ドラマ

    小説にも映画にも、稀にその時代を反映し、完全にその時代の時間を写し出したかのような作品が生まれます。まるでその時代の断片を抉り取って貼り付けたかのような、リアリティ溢れる鋭い輝きを放つ描写、言葉、そして空気感を醸し出している作品です。今回ご紹介するのはまさにそういった、稀に見るような傑作映画です。

    最高のタイミングで最高の人材が揃った映画「ファイト・クラブ」

    ファイト・クラブは1999年にニューヨークの鬼才デヴィット・フィンチャー監督により制作された、チャック・パラニュークの同名小説の映画化作品です。主演は出演映画をスタイリッシュに変えるイケメン俳優ブラッド・ピットに、映画初出演の「真実の行方」でアカデミー助演男優賞にノミネートされたエドワード・ノートンのW主演です。この監督とこの2人が組むことによって、歴史的名作が生まれることになりました。
    ストーリーは、高層マンションに住みイケアの家具に囲まれ、カルバンクラインを着こなし、大企業に務める何不自由なさそうな男性が主人公です。彼は継続的な不眠症に悩み、病院に行っても相手にされず、重病患者がお互いを慰め合うグループセラピーに通うようになります。ようやく不眠が終わりますが、ある女性の登場によってまた不眠が始まりました。その後、謎の火災がきっかけで家を失い、ある真逆のタイプで180度違う考え方を持つ飛行機で出会った男の家に泊めてもらうことになったのです。

    酷評から賞賛へと評価が180度変わる映画「ファイト・クラブ」

    泊めてくれる彼は唐突に、できるだけ俺のことを思いっきり殴ってくれと言います。まったく何を言っているのかわからないと言いながらも言われるがままに殴ってしまい、喧嘩が始まります。しかしそのぶつかり合いの後に感じた感情は、高級マンションでも北欧家具でも得られない、生きている実感でした。そして次第に人が集まり、本格的なファイト・クラブが結成されていきます。学歴も人種も年齢も性格も持ち物も何も関係のない、ただ殴り合うだけの空間、男たちは今まで味わえなかった生の実感を味わいます。しかし次第にエスカレートしていき、収拾がつかなくなるほど組織は巨大化してしまいます。なぜここまで巨大化したのか、そこには大きな謎が隠されていました。
    ファイト・クラブは一見単なる暴力映画なのかと勘違いされますが、それは全く違います。社会風刺や現代社会への皮肉ユーモアがふんだんに詰まっている実に知的な作品です。そしてメッセージは極めて先進的で、時代の先を見据えていました。ただ、その表現方法が過激であったために、公開当初は誤解されていただけでした。
    例えば、主人公は給料の高い仕事にいい家にいい服にいい家具と物欲に満たされた生活をしていますが、精神的に一向に満たされていないどころか、むしろ不眠症で夜も眠れません。それはつまり、物では人間は幸せになれないことを意味し、むしろ逆に縛られていくことを象徴しています。

    「ファイト・クラブ」は時代を先取った、ミニマリスト映画

    この作品は暴力の推奨では全くなく、人間が本来持っている肉体や感情を大事にしようという意味を、分かりやすい形で表現している作品です。
    誰もが普段の生活で四六時中物欲を刺激され、無意識に洗脳されていますが、物欲に縛られすぎず、自分のありのままを受け入れろというメッセージで、物欲から解放された自由な精神がテーマです。