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    ノーベル文学賞作家・カズオイシグロの歴史

    2017年10月、受賞が噂された村上春樹氏に先駆け、彼の友人としても知られる日系人作家のカズオ・イシグロさんがノーベル文学賞を受賞しました。日本では際立って知名度が高いわけではなかったため、発表当日は日本中が驚きに包まれました。一体、彼はどのような作家人生を歩んでここまでたどり着いたのでしょうか。

    生い立ちからデビューまで

    カズオ・イシグロ氏は日本人の両親のもとで、英国ではなく日本の長崎にて生まれました。しかし、まだ幼かった1960年に父の仕事の関係で移り住んだため、渡英前は日本語を話せていたものの現在ではもうほとんど日本語は話せないことが判明しています。渡英後の彼はイギリスの学校を出て、大学を出た当初はボブ・ディランに憧れてミュージシャンを志していました。しかし方向転換して文学の方面に進み、20代後半の頃(1982年)に故郷の長崎を舞台にした「遠い山なみの光」という日本人が主人公の作品にて作家デビューしました。また、この時期に英国籍を取得して、正式な英国人となりました。

    1989年に英国最高峰の賞「ブッカー賞」を受賞

    デビュー作で高い評価を受けたイシグロ氏は、1986年発表の2作目「浮世の画家」でも日本人を主人公にした作品を創りました。そして、その作品は、英国の権威ある文学賞「ウィットブレッド賞」を受賞し、英国内で注目の新人作家の一人となりました。1989年には初めて日本人以外を主人公にした長編小説「日の名残り」を発表すると、前作以上の高い評価を受けて英国最高峰の文学賞として有名で世界的にも権威ある「ブッカー賞(Booker Prize)」を30代の若さで受賞し、イギリスを代表する作家の一人となりました。そして、この「日の名残り」という作品は、アンソニー・ホプキンス主演で1993年に映画化され、映画版も高い評価を受けました。

    2005年発表の問題作「わたしを離さないで」が大ヒット

    2005年にはある悲しい運命を背負って生まれてきた子供達と、彼ら・彼女らを世話する女性の日常を描いた衝撃作「わたしを離さないで」が英国内で100万部以上売れたほか、世界中でベストセラーになりました。日本では2016年にテレビドラマ化され、このドラマにより、カズオ・イシグロ氏の名前は日本でも広まりました。しかし、ドラマをみていた人以外からの知名度は低かったため、2017年に敬愛するボブ・ディラン(2016年度受賞者)に続いてノーベル文学賞を受賞した際は「この人は誰?」と日本中で大きな話題となりました。

    日本で沸騰するカズオ・イシグロ人気

    1994年に大江健三郎氏がノーベル文学賞を受賞した時と同様に、日本では空前のカズオ・イシグロフィーバーが続いています。具体的には書店にて彼の過去の作品が売上ランキング上位に顔を出しているほか、オンライン配信されている映画・ドラマ作品も売上ランキングにて上位にランクインしています。そして、その中でもブッカー賞受賞の「日の名残り」がどのように今後映像化されるかに業界中の注目が集まっています。