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  • 映画が原作を超えたと言われている作品は?
    映画が原作を超えたと言われている作品は?

    小説が映画化された作品はたくさんありますが、なかなか原作を超える映画はないと言われています。そこで原作を超えたといわれている作品をいくつか挙げ、独自の判断で検証していきたいと思います。賛否両論あるかもしれませんが、是非参考にしてみて下さい。

    松本清張「砂の器」

    この作品は松本清張の代表作であり、昭和の傑作と呼ばれるほどの長編推理小説です。黒澤明監督に日本一の助監督と認められた野村芳太郎監督によって映画化され、当時の日本で大ヒットを記録しました。配役や演出、音響など全ての面においてクオリティが高く、松本清張の世界観をそのままに映像化しています。
    特に加藤剛がコンサートでピアノを弾くシーンは今でも語り継がれるほどの圧倒的なスケールであり、このシーンが流れた時に原作を超えたと唸りを上げる専門家が多くいたそうです。私もこの映画を観ましたが、やはり例のシーンが強く脳裏に焼き付いています。
    作家も映画監督も日本を代表するスペシャリストであったために、原作を超えるほどの大作が完成したのでしょう。また主演の丹波哲郎の力みのない演技や、渥美清などの千両役者が脇役としてこの映画を支えていたことも大成功を収めた理由の一つと言われています。

    貴志祐介「黒い家」

    この作品は、人間の負の部分を書かせたら右に出る者がいないと言われている貴志祐介により発表されたホラー小説です。「家族ゲーム」で知られる森田芳光監督によって、1999年に映画化されました。
    とにかく役者陣が豪華であり、安心して見ることのできる作品です。私は貴志作品が好きであるため、はじめ「黒い家」を見るのには抵抗がありました。しかし大竹しのぶや西村雅彦の猟奇的な演技が素晴らしく、見終わった後には思わず拍手をしてしまったほどです。
    ホラー的要素が強く人間の執着心がとても恐ろしく表現されているため、原作にも全く引けを取らない作品に仕上がっていました。唯一の不満を挙げるとすればやはりホラー作品は活字で読んだ方がそれだけ自分の中にイメージが湧いてくるため、スリル感だけは原作を超えることはできなかったということでしょうか。

    日本アカデミー賞受賞作「告白」

    「告白」は湊かなえのデビュー作であり、2010年に映像美の美しさに定評がある中嶋哲也監督によって映画化されました。日本アカデミー賞をはじめとする数々の賞を総なめにし、当時の一大ムーブメントを巻き起こした作品です。それゆえ、特に若い世代を中心に原作を超えている作品として高い評価を受けています。
    私は、原作を読んでから映画を観ました。しかし、決して原作は越えていないと思っています。確かに松たか子の長台詞や木村佳乃の狂った演技には、素晴らしいものがありました。役者には全く不満はないのですが、ラストの結末が大きく変更してしまったことにどうしても納得がいきません。「告白」の原作は、読者にラストはどうなってしまうのだろうと考えさせる作品です。しかし映画では明確にオチをつけてしまっていたのでどうにも腑に落ちませんでした。

    なぜ原作を超えられないのか?

    このように原作を超えたと言われる作品は非常に少ないのが日本映画界の現状です。その主な理由として商業に走ってしまい人気はあるが実力の伴っていない役者を使ってしまうことや、監督が原作を大きく変えてしまうことなどが挙げられます。またファンは原作に対する思い入れが強いですので、本当にその小説を理解していないと原作を超えることは難しいでしょう。