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    村田沙耶香のおすすめ本TOP3

    村田沙耶香は1979年生まれの小説家です。2016年には『コンビニ人間』で芥川賞も受賞しています。芥川賞を受賞する以前にも、多数の書籍を残している村田沙耶香。今回は村田沙耶香のおすすめ本TOP3をご紹介します。

    【第3位】1度は読んでおきたい!『コンビニ人間』

    『コンビニ人間』は2016年に刊行されました。第155回芥川賞を受賞した作品でもあります。芥川賞はメディアで露出する機会の多い賞のため、村田沙耶香の名前はこの作品によって一気に広まりました。コンビニで働く30代半ばの女性が、本作品の主人公です。コンビニのバイトによって”人間”になれたと感じていた主人公は、加齢に伴い周囲の自分を見る眼差しが、奇異なものへと変化していることに気づきます。その状況に限界になりつつあった主人公が、元バイト仲間の白羽と再会。白羽と同居するようになります。あらすじを見る限りでは「どこにでもあるような、ありふれた話」と思いがちです。けれども、現実を舞台にしているからこそ「異質さ」が際立つ作品でもあります。元バイトの白羽も、お世辞にも「いい人」とは言えません。また、主人公もかなり変わった人物です。主要人物が現実社会で言う「異質感や疎外感」を持ち合わせているため、現実社会の異常さがより際立つ作品となっています。

    【第2位】村田沙耶香の青春小説『マウス』

    2008年に刊行された本作は、主人公の女の子と転校生の瀬里奈を中心として話が進みます。スクールカーストの話も同時に描いているのですが、思春期特有の描写が秀逸な作品です。主人公は一生懸命空気を読むのですが、瀬里奈は空気が読めないタイプ。そのような瀬里奈を、主人公は「架空の”灰色の世界”に逃げている」と表します。明るくさせようと、瀬里奈に『くるみ割り人形』を読み聞かせる主人公。なぜかその朗読に感動した瀬里奈は『くるみ割り人形』のマリーとして生きるようになります。瀬里奈は”灰色の世界”に居る際、いじめられても泣いてばかりいるのですが、マリーとして生きると打って変わったように自信に満ちた人になります。瀬里奈ほど酷くはないにしろ「理想の自分になりきることで、自信が持てるようになる」ということはしばしばありますよね。主人公も、空気を読みつつ「真面目な自分」から抜け出せません。「私とはこうあるべき」という理想が、主人公からも透けて見えます。

    【第1位】『しろいろの街の、その骨の体温の』

    第26回三島由紀夫賞、第1回フラワ文芸賞を受賞した作品。村田沙耶香ファンはもちろん、初めて村田沙耶香を読む人にもおすすめの1冊です。『マウス』のスクールカーストを、本作では全面に押し出すだけでなく、伊吹という異性との関係も描きます。村田沙耶香作品の多くは”女とは何か”や”社会とは何か”を提示しますが、本作の場合、善良な性格である伊吹を取り入れることで、主人公自身の成長がグッと感じられるのです。心の奥へ奥へ入って行くのではなく、ある意味で「キレてしまう」主人公。そのキレ方や心の解放の描写が見事です。読後はスッキリ感も味わえます。

    問題提起が見える作品の数々

    村田沙耶香の作品は「変わった人」が多く登場します。そのようなことから「何を訴えたいのか分からないのでは?」と思いがちです。実はそうではなく「何を訴えたいかが、変わった人物を通して正確に分かる」という所が村田作品の魅力となっています。「社会とはこうだ」と断定的に述べるのではなく、暗に「この考え方はオカシイ?」と主人公達が読者に語りかける姿勢が、作品として評価される理由ではないでしょうか。